はんこ屋さんの新しい需要
はんこ屋さんにとって近年の新しい需要といえば、若い人たちの間でブームになっている御朱印帳の捺印コレクションに使われる、神社仏閣参拝者用の大判スタンプが挙げられます。
御朱印のほか、最近では山小屋で捺す登頂記念の山岳印、鉄道乗車記念の鉄印、城郭登城記念の城印、そして昔からある商店街や展示会のスタンプラリーなど、意外にあちこちで多く見うけられるようです。
ゴム印の一般的な製造工程
ゴム印の製造工程は大小にかかわらず通常は
- 版下データ作成
- フィルム製販
- 紫外線硬化樹脂の凸版製作
- 雌型への転鋳
- 赤ゴムの高温高圧プレス
といった多数の工程と高価で大掛かりな設備が必要となるうえ、多くの産業廃棄物が発生します。そのため、「中途半端なサイズを一つだけ」とか「ローコストに短時間で作りたい」という、御朱印などの単発のニーズにはあまり向きません。
ハンコの新素材「ミルキーラバー」なら
これに対して当社で開発したミルキーラバーは彫刻加工に適した快削性を持つエラストマーです。しかも、靴底に貼って歩き回ってもなかなか擦り減らないほどの耐久性を持ったゴム印用素材ですから、御朱印のような使用頻度の高い大判スタンプの過酷な利用にも向いています。
少ない設備と工程からローコストで短時間かつ、彫刻だけなのでいつでも手軽に作成できます。
ミルキーラバーを用いたスタンプの製造工程
ミルキーラバーを用いたスタンプの製造工程としては
1.版下データ作成
2.ツールパステンプレートの読み込み
3.印面切り抜きツールパス自動生成
4.ツールパスシミュレーション
5.スプーラからツールパスを送信して彫刻機で加工
6.台木に張り付けて完成
これだけですから、大きいスタンプの製造でも30分ほどで完了してしまいます。
材料費も、通常のスタンプ素材と比較して平均売価の六分の一ほど、設備も木口やチタンのはんこも彫れる卓上金属彫刻機が使えるので拡張性や汎用性が高く、はんこ屋さんにとっては願ったりかなったりのピッタリなシステムです。
超高速スピンドルを搭載した卓上金属彫刻機NC5SK
ミルキーラバー素材を用いたスタンプの制作には、金属のハンコも製造できる卓上金属彫刻機NC5SKが最適です。本体の寸法は725 x 755 x 660mm、加工サイズは483 x 305 x 110mmです。コンパクトサイズなので場所を選ばず、導入・設置が容易です。
NC5SKに搭載される50,000回転の超高速スピンドルは、適切な刃物を用いることでチタンやステンレスの彫刻をも可能とします。工具交換がワンタッチバルブ開閉でできるので、ミルキーラバーの彫刻の後で刃物を取り換えてチタンや木口の印章、箔押し原版や焼き印の彫刻もできる、印章彫刻ではオールマイティーなシステムです。
ミルキーラバー製のスタンプのサンプルを製造いたしました。どれも手のひらサイズぐらいの大きさです。
しかも、どうしても赤ゴムをプレスで作りたい場合には、NC5SKを使って中間材料の耐熱原版樹脂「ホリテックス」にダイレクト彫刻することで、プレス用雌型を短時間で製作することもできます。
次の写真は、耐熱原版樹脂「ホリテックス」に彫刻をしたサンプルです。
超高速スピンドルを搭載した金属彫刻機NC5SKが、これらの多岐にわたる素材の彫刻と目的をこなせる重要な要素としては、彫刻業務を専門的にお助けするために開発されたCAD/CAMソフトウェアの存在があります。
なかでも、最新の極楽彫Premium10は当社のコラムでもたびたび活躍しますから、どうかその彫刻機能と汎用性の高さをお見逃しならないようにお願いいたします。