二層板とは
二層板は、おもにアメリカ国内でレーザー彫刻機のユーザーが使用する素材ですが、レーザーで彫刻するだけでロゴや文字が発色する便利な素材です。
二層板とは、名前のごとく2枚の板が合わさったものです。表面をレーザー彫刻することで、芯材の色が出てきます。
色の組み合わせは表面材と芯材で決まります。例えば、
黒い芯材に白い表面材を貼り付けたものだと、彫刻した部分が黒くなるので、白地に黒の文字やマークを彫刻することができます。
赤い芯材に黄色い表面材ですと、黄色地に文字やマークが赤くなります。
彫刻しで表面を取り除いて芯材の色が出現するというわけで、二層の組み合わせはさまざまです。一般的に販売されているものだけでも100通りぐらいの種類があります。
試しに、芯材が黄土色で表面が紺色の二層板で、案内板を作ってみました。
二層板のメリット
二層板は、表面材が薄くてヤニや燃えカスが残らないので、レーザー彫刻機を使い慣れていない人でも非常に簡単に作れるというメリットがあります。
Epilog ZING16-40Wで彫刻をしましたが、160mmx120mmのサイズで時間は8分30秒ほど。
後処理もいらず、本当に簡単です。ZING16などのレーザー彫刻機を導入された方にはサンプルを差し上げますのでチャレンジしてみてください。
二層板のデメリット
しかし、便利な二層板にもデメリットがいろいろあります。
- 表面材がシルバーやゴールドのものはあるが、芯材がメタリックのものは今のところ存在しない。
- 材料カタログには100種類以上あっても、日本の顧客がほしい色の選択肢が少ない。
- 素材や質感、表面模様にこだわることが出来ない。
- 材料費が高く、大量には入手しづらい。
- 厚さも1.4mmのものがほとんどで、厚さのバリエーションが少ない。
- レーザー彫刻機の彫刻モード設定だけでレーザーを照射するので、比較的作業に時間がかかる。
「二層板は問題だらけで、これではレーザー彫刻機を導入したメリットが生み出せないのではないか?」と思われた方も多いことでしょう。レーザー彫刻された文字やマークをメタリックにしたい場合は、どうしたらよいのでしょうか。
次回のコラム「レーザーカットできる粘着メタリックシートで案内板を製作」では、この六つのデメリットを一挙に解決する、画期的な素材と加工方法をご紹介します。